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第1   特許法の勉強の基本

  1           条文を重視すべき理由

(1)      短答試験では

 条文の知識が問われる。

(2)      口述試験・論文試験では

 条文を見ることができる。

(3)      実務でも

 基本書・判例よりも、条文の理解の方が役に立つ。

 

  2           青本を読み込む理由

(1)      条文の理解の補充として

 条文の文言からは不明確なこと多々ある。→法解釈が必要。

(2)      短答試験対策として

 青本は短答試験の出題の宝庫。

(3)      受験生のバイブルとして

 ほとんどの受験生が読み込んでいる。

 試験は相対評価であることを忘れない。

 

  3           発明の保護と利用の調和を常に念頭に置くべき理由

Ø         特許法1条及び青本の記載から明らか。

 

  4           「記憶」よりも「理解」を重視すべき理由

Ø         記憶は試験の直前にすべき。

Ø         常にすべてを覚えていようとするスタンスは正しいか?

 

 

 

第2 講師が考える青本のポイント

1条(目的)★★★

Ø         「この法律の他の条文はすべて本条に規定する目的に帰一してくるものであり、各条文の解釈にあたっても本条の趣旨が参照されるべき」(青本1711頁)。

Ø         秘密公開説(奨励説)。

 

2条(定義)★★★

Ø         「発明」・「特許発明」・「実施」・「プログラム等」の定義は重要。

 

3条~5条(期間の計算、延長等)★★

Ø         条文レベルの理解で十分。

Ø         延長が認められていない期間も要チェック。

 

6条(法人でない社団等の手続をする能力)★

Ø         重要性は低いが、法人格なき社団の理解(民法のマメ知識)。

 

7条(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)★

Ø         未成年者、成年後見人等の理解(民法のマメ知識)。

Ø         民法と異なり違反の効果は「無効」。

Ø         16条に関連規定がある。

 

8条(在外者の特許管理人)★

Ø         条文レベルの理解で十分。

 

9条(代理権の範囲)★★

Ø         不利益行為の代理権が制限されている。

Ø         何が不利益行為であるかを理解する。

Ø         14条との比較。

 

11条(代理権の不消滅)★

Ø        条文レベルの理解で十分。委任代理人と法定代理人の理解(民法のマメ知識)。

 

12条(代理人の個別代理)★

Ø         特許庁の便宜のための規定。

 

13条(代理人の改任等)★

Ø         条文レベルの理解で十分。

 

14条(複数当事者の相互代表)★★

Ø         不利益行為以外は各人が全員を代表する。

Ø         何が不利益行為であるかを理解する。

Ø         9条との比較

 

15条(在外者の裁判籍)★

Ø         条文レベルの理解で十分。

Ø         裁判籍についての理解(民事訴訟法のマメ知識)。

 

16条(手続をする能力がない場合の追認)★

Ø         追認についての理解(民法のマメ知識)。

Ø         7条に関連規定がある。

 

17条(手続の補正)★★

Ø         時期的制限:

願書に添付の明細書等以外は、事件が特許庁に係属している間。

 

Ø         内容的制限:

外国語書面出願の場合は、外国語書面及び外国語要約書面の補正はできない。

 

Ø         手続補正書の提出が必要。なお、誤訳訂正書(17条の22項)。

 

17条の2(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)★★★

Ø         時期的制限:

特許査定謄本送達前はいつでも補正できる。ただし、拒絶理由通知を受けた後は指定期間又は法定期間に限られる(1項)。

 

Ø         外国書面出願の場合の誤訳訂正は、誤訳訂正書による(2項)。

 

Ø         内容的制限(明細書等について)

新規事項の追加を禁止、外国語書面出願では翻訳文の範囲内(3項)。

 

(なお、特許庁の審査基準によれば、「『当初明細書等に記載した事項』とは、『当初明細書等に明示的に記載された事項』だけではなく、明示的な記載がなくても、『当初明細書等の記載から自明な事項』も含むとされている(特許庁審査基準第Ⅲ部第Ⅰ節新規事項)。これに対し、知財高判平成20530判時200947頁」は、「明細書〔現在は特許請求の範囲を含む〕又は図面に記載した事項」とは、当初の明細書等に具体的に記載されていた事項ではなく、「当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項」のことであると判示する。)

 

Ø         内容的制限(特許請求の範囲について)

最初の拒絶理由通知以降は、発明の単一性の要件の範囲(4項)。

最後の拒絶理由通知の指定期間、既通知の拒絶理由と同一である旨の通知の指定期間又は拒絶査定不服審判請求後30日以内に行う場合、請求項の削除等に限られる(5項)。

 

Ø         独立特許要件(6項)。

 

17条の3(要約書の補正)★

Ø         補正期間が短い。 ∵要約書の性質(特許情報へのアクセスを容易にするためのものに過ぎず、権利関係には何ら影響を与えない)による。

 

Ø         いわゆる優先日を基準とした期間の算定方式を定義(本条カッコ書)。出願公開の基準日でも同方式が採用されている(641項参照)。

 

17条の4(訂正に係る明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)★★

Ø         時期的制限(無効審判で訂正した明細書等の補正の場合):

①答弁書提出期間、②訂正拒絶理由に対する意見書提出期間、③無効審判棄却審決の取消判決等があった場合における訂正請求期間及び④職権審理に対する意見書提出期間に限られる(1項)。

 

Ø         時期的制限(訂正審判で訂正した明細書等の補正の場合):

審理終結通知まで可能(2項)。

 

Ø         本条では、時期的制限のみが定められており、内容的制限は定められていない。

                    以 上